Sunday, July 09, 2006

読書編:その後

海外物に手をつけてみたらあまり面白くなかったから乙川優三郎を読む、と書いた後。

乙川さんの単行本をとりあえず全部読み漁った結果、再び気分は江戸時代モードに。本屋をウロウロして、手にしたのがちくま文庫の杉浦日向子の漫画「百日紅(上・下)」。今までパラパラ・・・と捲ったことはあったのものの、「ん~・・・微妙」と、いつも棚に置き返してた本。「試してみるか・・・」とレジへ。読み始めたらこれが掘り出し物!北斎を変わった視点で見ていて、ある意味文学的。こういう良質な漫画を描く人で、私は近藤ようこも大好きで、何度も読み返しちゃうほど味があります。杉浦さんのも、「今まで無視してた・・・、私の目は本当狭いわ~・・・っ」と新人発掘のようなウキウキ感がありました!ただ、残念なのが、漫画だとすぐに読み終わっちゃう・・・(涙)。

で、やっぱりなんとなく時代物小説にはあきちゃいました。なんていうか・・・、時代背景が似ているから、頭の中に広がるイメージが一緒になっちゃう。ドキドキ感が薄れちゃうのかなあ。で、結局また海外作家コーナーへ。「Da Vinci Code」の作家の新しい単行本「天使と悪魔」も(やっぱり)イマイチ。次に、「Da Vinci Code」の横に積まれていたポール・サスマンの「聖教会最古の秘宝(上・下)」を「他にないしね・・・」と読み始めたら、なんとこれがまた掘り出し物でした!中東・イスラエル・パレスチナ・イスラムの問題を背景としたサスペンス+宝探し。なにより、私があまり詳しくない社会背景で、本当に面白かった。寝るのを惜しんで読んじゃいました。彼はまだ新しい作家みたいで、まだ数本しか出版されていない模様。今後が期待できそうです。「聖教会最古の・・・」は、是非原文で読みたいと思って洋書版をAmazonで購入。届くのが楽しみ♪

あと、横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」と「第三の時効」が単行本化しましたね!第三の時効、大好きなF県警シリーズ。やっぱり横山さん、好きです。

今読んでる途中なのが、ノンフィクション・「フェルマーの最終定理」。小川洋子の「博士の愛した数式」にも出てた定理についてのノンフィクション。数論にはチンプンカンプンな私でもぐいぐい惹きつけられちゃいます。研究って、社会のため、未来のため、だけじゃなくて、個人の欲望とか自己満足とか、そういう原動力もあってこそ継続しうるのかもしれない・・・(遠い目)。秋に投稿の研究論文が迫ってきました。ひゃー。

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